日常最も多く使われる言葉のひとつに「こんにちは」という挨拶語がありますが、この「こんにちは」、海外で使うと意外な効果があります。
山登りやハイキングの経験のある人ならお分かりかと思いますが、ハイカーどうしが道ですれ違った時、お互いに「こんにちは」と声をかけます。
それと同じことを海外でも実践するだけのことなのでありますが、これが人によってはちょっと抵抗があってね、と思うむきもおありでしょう。「ほれ、日本人よ」なんて御自分も日本人なのにそんなこと言ったりして。
小生は海外に出たら必ず道ですれ違った同朋に「こんにちは」と挨拶します。
人によって様々な反応の仕方があって楽しいのですが、中には聞こえているのに無視する御仁もいます。でも、それはそれ、気にしてはいけません。
「こんにちは」と言うだけなので、誰にでも出来ることですが、二、三注意せねばならないことがあります。「こんにちは」と言うとき、先方とこちらの距離が離れすぎていてはよくない。小声で言うと相手に聞こえないこともあるし、万が一耳の遠い方ですと、こちらがぼそぼそと言っても、「あれ、いまの日本人みたいだけど、何か言ったの?」なんてこともあります。
また、大声で「こ、ん、に、ち、は!」などと叫んではなりませぬ。
ビックリ仰天して、心臓が止まったらえらいことです。
すれ違いざま言うのもよくありません。失礼ですから。
声を掛けるタイミングと声の大きさに気を遣いながら、「こんにちは」のひとことを気分よく言うのがよろしかろうと思います。
これがうまくいきますと、相手が好印象を持ってくれますし、こちらも実に気持がよい。ある初夏の夕方、英国・エジンバラでゆるやかな坂道を下っていたら、同朋ふたりが上って来ましたので、「こんにちは」と声を掛けました。先方は意外だったのか一瞬とまどったようですが、すぐ「こんにちは」と言ってくださいました。
翌朝、ホーリールード宮殿へ行こうとして、ルームキーを預けるのにフロントに寄ったら、昨夕のおふたりがおられました。
チェック・アウトなさっていたのですが、奥様が驚いたような顔で隣のご主人の肩を思い切り叩いてこうおっしゃった。
「ねえ、ねえ、あなた、きのうの感じのいいご夫婦よ!」
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