国際線の機内食です。腹がへるから食べるわけですが、航空会社からみれば長い搭乗時間の時間つぶし、客が退屈しないよう機内食を出す。
この機内食、日本出発便にはロクなものはありません。特にまずいのは北米線とカナダ線。芸術的なまずさ。どうしたらこんな味付けができるのかと思うほど。天才的料理人が作ったのでしょうな、食べた人の顔つきが一瞬にして歪みますもの。造形芸術の天才、彫刻家中の彫刻家であります。
ところが、クルーの食べている食事は特別製、なかでも機長や副操縦士が食しているのはスペシャル。
と書きますと、いいなあと思う人、操縦しているから仕方ないかと諦めるひと、その他様々の反応がありましょう。
彼らが食する機内食、基本的にはファーストクラスの乗客のものと同じです。
はっきり申しまして、違いは素材と量だけ、それとアルコール類の品質が吟味された内容になるだけ、料理の味付けは決して吟味されていません。
やはり上記の天才のお味でございます。
ホンマかいなとお疑いのムキもおありでしょうから言いますが、小生、バブル華やかなりし頃、主にシンガポール線と香港線で、もうたくさんというくらいファーストクラスの乗客となりました。これ自慢話ではない。あえて「バブルの頃」と申しましたのは、現在は落ち目の三太郎、ファーストクラスは夢より遠くへ行きました。
以前、ある航空会社のCクラスとFクラスに大阪の有名料亭の機内食をという触れ込みで企画実行されたことがあった。
幸か不幸か、小生はその便に乗り、機内食を食べた。まあ、これが、その料亭と似ても似つかぬ味。
その料亭、数年前まで孝明さんが花板をしていた老舗、味は極めつけのおいしさ。
What? Why?と思いましたね。
作る料理人の違いもありましょうが、無論それだけではありません。だいたい機内食などというものは料理人からみても作り甲斐がない。従って気合いが入らない。
料理はけっこう集中力に支配される。
それと、せっかく作っても、すぐには食べれない。搬送、待機の時間を合計すれば、料理完成後5時間は経っている。その冷めた料理を機内で加熱しなおして出すわけですから、おいしいものでもまずくなる。
さて、機内食のまずい事が十分お分かりいただけたかと思いますが、機内食が!!、うまい!ところは勿論あります。
ここからが我田引水ですな、どこかというとヨーロッパ、欧州のインター、ドメともに味は保証いたします。
ルフトでも、エールフランスでもアリタリア、スイス航空でもおいしい。ただし、BAとKLは研究不足ですな、でも、日本からの便よりか少しはマシ。
まあ、ウソだとお思いでしたら、検証の旅をお勧めします。現地の機内であやつの言は正しかったということをお確かめなさるのがよろしかろうと存じます。
では、ボン・ボヤージュ、幸運な旅行をお祈りいたします。
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