59      バケツの穴
 きょう7月16日、高知県吉川村で小泉さんが街頭演説したそうである。なんでも小泉さんは風邪気味で、体調がいまひとつ芳しくないとか。しかし舌鋒は鋭く、持論の特殊法人改革をぶちあげた。
 
 特殊法人の多くは、赤字を出してもあとで税金で面倒をみてくれるという発想である。これでは赤字がどんどん広がってしまう。自分の家からボヤが出ているのに、何もしないでボヤ〜っと眺めている人がいるだろうか。
 
 バケツに水を汲んで、火を消しとめようとするはずである。これはごく当たり前の反応である。しかし、特殊法人はこの当たり前のことをしようとしない。
 
 小泉さんは、困ったときに税金をあてこむ姿勢を「税金を穴のあいたバケツに入れるようなものだ」と、特殊法人の経営体質を厳しく批判し、改革の必要性を強調したそうである。
 
 前述のごとく、火が出てもそれを消そうとせず、指をくわえて見ている人がいるのである、特殊法人という伏魔殿には。なんとかしなければと思っている人もいるかもしれないが、バケツに水を汲みに行っても、所詮バケツは穴だらけでものの役には立たない。
 
 これは余談であるが、小泉さん、夏風邪のため明日は静養するらしい。それを公式発表したときの福田官房長官のコメントが傑作。 
 
 「やはり(小泉さんは)人間だったんですね」
 
 
更新日時:
2001/07/17
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