58      靖国参拝
 もうすぐ8月15日である。小泉さんはどうしてもこの日に靖国神社に参拝するという。そして、お隣の中国・韓国はそれに猛反対である。
 
 小泉さんが熟慮に熟慮を重ね、あれほど委曲をつくして説明し、、戦争で尊いいのちを犠牲にした人々の魂に祈りを捧げようとしているにもかかわらず、近隣諸国の中国、韓国はどうあっても許さないと、強硬な姿勢を崩そうとはしない。
 
 侵略戦争の責任者であるA級戦犯が靖国神社に英霊としてお祀りされているのはけしからん、まして8月15日に参拝するなどもってのほか、と繰り返し主張して譲らない、彼らはすでに死刑が執行されているのに、である。
 
 野党は勿論のこと、自民党も、ほかの与党も小泉さんの8月15日の参拝には反対、もしくは難色を示している人は多い。
外交上近隣諸国との融和が肝要であるというのがその理由である。過去、中曽根氏が首相として靖国神社に公式参拝したことはあったが、近隣諸国の非難を浴び、その後公式参拝は取りやめたという例がある。
 
 以来、8月15日に公式参拝した首相はいない。冗談じゃない、と私は思う。8月15日に参拝してこそ、また首相として参拝してこそ大きな意味があるのであって、8月13日とか17日にお参りするのであれば、お参りする意味がなくなるではないか、と思う。
 
 自分の親の命日が8月15日なのに、近所のだれそれがうるさいから日にちを変えるバカがどこにいる。家族会議で日にちを決めるような類の問題でもなかろう。命日は決まっているのだから、その日にお参りするのが筋であって、筋を通してこそ自分も祖先の魂も立つ瀬があるのだ。得心がいくというのはそういうことである。
 
 小泉さんには絶対に自分の意志を曲げないでほしいと思う。50年後、100年後、日本人の魂ということが、世代を越えて議論の対象になり、魂の安息、魂の救済が強く求められる時代が必ず来る。それは宗教などとは全く無関係に、人ひとりひとりの心の問題として求めざるを得ないのだ。
 
 その時、日本人の魂を守った唯一の政治家として、小泉さんの名は同胞の心に深く刻まれるのである。政治家としての実績は、いわばその場しのぎにすぎないが、日本人の精神的支柱となった人の功績は永遠である。
 
 私は小泉さんをそういう存在としてとらえている。
 
 
 
 
  
更新日時:
2001/08/03
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