57      ブレアの節約
 数日前の毎日新聞朝刊に「英首相府はこのほどブレア首相が今月後半にフランス南西部へ家族で夏休みに行く際、超格安運賃の航空会社を利用する」と報じた。それまでの夏休みは政府専用機で旅をしたわけであるから、一大変化である。
 
 英国民の多くは税金の無駄遣いにうるさい。私は常々わが同胞も彼らのように税金の使い道について、もっともっとうるさくしてもらいたいと思ってきた。かつてこの国は税金天国と言われ、役人や政治家の多くは税金をドブに捨てるような使い方を長年にわたって続けてきた。
 
 税金をムダに使っても、だれの腹も痛まないと彼らは思いこんでいる。それがけしからんと思うのであるが、彼らはカエルのツラに◯◯◯◯◯である。
 
 納税者の立場からモノを見ると、自分が支払った税金が有効に使われるのであれば嬉しいが、ムダな事に使われると腹が立つ。当たり前の話である。しかしながら、この当たり前の話が通用しないのが傲慢役人と議員連中。
 
 税金の無駄遣いについて、メディアは毎日毎夜しつこいくらい声高にメッセージを送る必要がある。仮にメディア人間がスポンサーの金を浪費していようと、それはいったん棚に上げて、とにもかくにも税金の使い道キャンペーン番組を長期にわたり報道してもらいたい。
 
 さて、新聞の記事によると、ブレア一家は徹底したコスト削減で有名なラインエア(アイルランド)を利用するらしい。ラインエアのロンドンからフランス南西部(トゥールーズかボルドー、またはバイヨンヌ?)への運賃はひとり往復125ポンド、つまりは22500円ほどである。
 
 一家はこの格安料金で一般客にまじって搭乗するやに仄聞する。去年まで利用していた政府専用機の費用は2万ポンド(360万円)以上であったらしいから、コスト削減ここに極まれりである。
 
 私は99年初夏の旅行以来、以前にもまして英国に注目してきた。当然ブレアさんの言動も衛星放送のBBCニュースなどで見聞きしてきた。そして、ブレアさんなら何かやってくれるものと思ってきた。
 
 そのブレアさんが最近「節約令」を発布した。大臣も近距離なら地下鉄を利用しなさいといった、すこぶる気分のいい内容の節約令である。さすが英国、さすがブレア、ようやった、ようやったと私は嬉しくてしようがない。
 
 「節約令」の詳細に関しては、以下のURLをお訪ねください。
 
http://www.asahi.com/internatinal/update/0818/008.html
 
 
更新日時:
2001/08/19
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