41      害務省の逆襲
 
 これまで鈴木宗男にやられっぱなしだった外務省が、証人喚問直後にわかに反撃、歯舞・色丹二島の先行返還どころか、四島返還されても経済効果はないから(返還は意味なし)という宗男氏に関する内部文書の公表、はたまた、根室までの船内の、外務省職員に対する暴力沙汰の公表に至った。
 
 後者にいたっては、医師の診断書まで添付するという熱の入れようでありました。私はこの数日の外務省の情報公開を横目で見ていて、彼らもやるときはやるんだというある種の感慨と共に、これまで頼まれた事でさえ逃げ腰であったのに、ここへ来て、頼まれもしないのに、自分から身を乗り出して、世間に宗男氏の悪行を公開する彼らの気持に思いを馳せた。
 
 人間、思いは同じでしたな、我慢に我慢を重ねた事の反動が出たのだと思います。世間も政府も、自民党議員の多数ですら宗男氏に憤っている。あるいは憤っているように装っている。宗男氏にとっては、まさに大逆風が吹き荒れております。
 
 潮は満ちた、外務官僚はそう思ったに相違ありません。いままでどれほど悔しい思いをしたことか、何度泣き寝入りしたことか、時は今をおいてほかにない、あんな議員は政治家の風上にもおけない、外務省から永久に閉め出してしまえ、そういう事だと思います。
 
 あまりの忍耐は単なる卑怯にすぎません。普通、選挙で選ばれた議員はわれわれ国民を代表して、官僚の専横をチェックする立場にあるべきなのに、宗男氏はそうではなかった。これから、選ぶ方もよくよく考えて投票せねばなりますまい。
 
 かつて映画「スター・ウォーズ」に「帝国の逆襲」というのがありましたが、これはまさしく「害務省の逆襲」であると思ったことでありました。
          
更新日時:
2002/03/14
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