三反園訓（みたぞのさとし）さんに関しては、彼が鹿児島県指宿の出身であるという事と、ニュース・ステーション（テレビ朝日）の国会記者会館詰め政治記者という事くらいしか知らない。ただし、私が最も信頼している政治記者である。この人の口から発せられることば、情報がどのくらい信憑性が高いかというと、チョモルンマより高い。
久米宏の口調からしても、久米が圧倒的に三反園さんを信頼していることが分かる。政治評論家・森田実氏、矢野絢也氏、政治学者の福岡政行氏らの情報も精度、分析度ともに成程と納得するものが多い。特に、福岡、矢野両氏の話は、政治評論の枠を超えて聞き入ってしまう体のもの。
それに較べると三反園さんの話は淡々としている。淡々としているが、一昔前のNHKのニュースキャスターとは明らかに一線を画している。どこがと問われると困るのだが、あえて言うと深刻さであろうか。オレは絶対いいかげんな話はしないぞ、そういう雰囲気が深く静かに漂っているような気がするのである。
国会と国民を巻き込んでの、上を下への大騒動が勃発すれば、必ず彼はテレビに出てくる。自民党の派閥の領袖や幹部議員が何を考え、水面下でどんな工作をしているかを実に精確に把握し、それを無駄のない口調で短く語る。
三反園さんのコメントを聞いていれば、次の展開は容易に予想できる。早くて翌日、遅くても数日後、やっぱり三反園さんの言ったとおりになった、そう密かに思うことが何度あったことか。そうこうする内に、なんとなく自分が三反園さんになって、次の展開を占っているのであります。
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