36      続・えじゃないか
 
 ワールドカップ観戦をして分かったのは、選手の資質と本質だけではない。審判や観客のそれらに関わる事も目にすることができたのである。
 
 日本対ベルギー戦、ブラジル対ベルギー戦などを御覧になった方はご記憶に新しいことと思うが、inamotoのシュート、これは日本の3点目のゴールになるはずであった。6月17日・神戸でのブラジル・ベルギー戦の、前半のベルギーの選手のヘディングも、ベルギーの先取点になるはずだった。
 
 にもかかわらず、審判はファールをとって得点とは認めなかった。ゲームをつぶさに観ていると、こんな例の枚挙にはいとまがないほどで、一体全体、審判は何を見、何を考えているのかとバカバカしくなる。たしかに当方はサッカーの専門家ではないし、いわば俄サッカー観戦者にすぎないのであるが、見える事は見えるのであって、デタラメはデタラメなのである。
 
 明らかにファールなのにファールでなく、ファールではないのにファールと判定する審判の意図に、胡散臭い何かを感じた人は多かったことであろう。彼らがフェアな判定を下さなければ、ゲームの展開も結果も、全く別物となるほかない。審判の誤審というにはあまりにお粗末、手心を加えたり、意図的に誤審を下した審判は、即刻レッドカードで退場しなさい。君たちは某国の国会議員と同等、袖の下から得点する。
 
 お祭り騒ぎで気持ちよくなっている人に冷水を浴びせるようで恐縮ではあるが、雄叫びをあげ、奇声を発し、舞い上がるのは大いに結構。しかしながら、公会堂や市民ホールの成人式ではないのだ、地元住民に大変な迷惑をかける所作はやめなさい。
 
 成人式なら猿が騒いでいるという目で見れたが、こうも猿が多いと不愉快になる。あのバカ騒ぎは、君たちがキレやすい事と何か関係があるのかもしれない…。競技場で大騒ぎするのと、町の中で騒ぐのとは別のことである。その区別さえつかないから猿なのだ。
 
 98年にフランスが優勝したさい、パリ・シャンゼリゼ大通りでのお祭り騒ぎを例にあげて(車の通行は不能)、フランスは寛大だ、などとのたまう解説者もいたが、あちらは優勝、こちらは予選突破、状況が全然違うではないか、状況が。
 
 それに欧州では、シャンゼリゼであれ、○○通りや○○広場であれ、本当の戦争で数々の辛酸をなめてきた歴史が存在し、何かに勝利した時、そこで大騒ぎするのはいわば伝統行事なのである。
 
 かくなる理由で、えじゃないかとすますのは固くお断り申し上げる。
 
 
更新日時:
2002/06/17
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