66   あやしの魔力ー1
更新日時:
2001/03/18 
 旅行エッセイといいますと、我が国では男児の定番は開高健、女性のそれは、そんなものあったんかいな?
旅の目的などというものは年とともに変化するのが普通で、変わらない人はどうかしているのでござります。そのどうかしている者の中にわたくしも入っているのでありまするが、30年来、遺跡と美術館巡り。
もう、これに血道を挙げすぎて、食文化や写真撮影などに凝り出したのはここ10年間のことであります。それはともかく、旅のエッセイにはホンマかいなと思うことが少なからず書かれている。だいたい作家、エッセイストなどが書いた紀行文、エッセイなどロクなものがない。
想像力、表現力、おまけにエネルギーまで有り余っている人種ゆえ、つまらないことを面白おかしく作ってしまう。その種の才能の長けた連中の作り話は読んで面白くても信用してはなりませぬ。
 
 いくら海外といっても、美男美女がそこかしこにワンサカいるものでもなし、うまい料理が安く提供されるわけのものでもありません。
ホテルも経営形態や従業員が変われば、サービスも様変わりいたします。
サービスどころか、ホントに同じホテルなの?と首をかしげたくなるような事もござります。
ところで、ミッシュランの赤本の星の数、あれをいまだに信奉しておられるファンも多いかと思いますが、確かに店の雰囲気と皿の出来は星の数に比例して豪華になります。しかし、すべてはそこまで。味は別の話でござります。
 
 うまい、安い、雰囲気もいい、そんなお店のスペシャル版をその内こしらえたいと思っております。

  67   のこされた時間は僅か?
更新日時:
2001/03/18 
 旅といいますと時間とお金、健康と状況が許さないとなかなか実現できるものではないと思っている人多いのではないでしょうか。
たしかにそれは一理も二理もあるわけでして、四つの条件すべてがそろっていてこそ快適かつ充実した旅は可能となるに違いありません。
でも待てよ、上記のもの全部そろったとして旅に出ますでしょうか?
 
 旅に出る人は出る理由、出ない人は出ない理由をそれぞれに考えて、まあ、ありていに申しますると、出てもエクスキューズ、出なくてもエクスキューズをその度ごとに作って旅するのではありますまいか。
 
 思い切りのいい人悪い人とり混ぜて、最後の決断を下すカギとなるのは何でしょう。小生の愚考するところによりますると、それは情熱の有無ということになるのでありまして、そこそこ中年かな、なんて情けない羽目に陥りますと、この情熱が若かりし頃にも増して重要な意味を持ってくるのでござります。
他でもう一花咲かそうなどと大それた事を考えているむきには別ですけどね。
 
単純な引き算(足し算?)をしても、今まで生きてきた年数よりか残された年数のほうが少ないと思ったら最後、あなたは情熱の虜(とりこ)となる資格十分です。
そして、実はこの情熱の発露が、情熱の花を咲かせる事こそが、旅を作る秘密の鍵のような気がするのでありますが、如何なものでござりましょう。


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