ジェームズ・ゴールウェイ
ジェームズ・ゴールウェイ
ジェームズ・ゴールウェイは1939年北アイルランドのベルファースト生まれ。69年カラヤンのもとでベルリン・フィルの主席フルート奏者となりましたが、帝王カラヤンと衝突し、ソリストの道を歩みました。
 
ゴールウェイを初めて聴いたのは94年5月22日大阪シンフォニーホールでした。「バロック音楽とモーツアルト」と題されたその演奏会はドイツの指揮者フェルバー(日本ではあまり知られていません)とヴェルテンベルク室内管弦楽団との共演。
 
曲目はヴィヴァルディの「フルート協奏曲ニ長調op.10−3 ごしきひわ」とモーツアルトの「フルート協奏曲」など。
この人、ふだんから血色が非常に良い。肺活量が大きいのでしょう。それがフルート演奏に影響しているのでしょうか、まことに力強い。
そして驚嘆に値するほど繊細、しかも透明感に溢れています。
 
 現在、ベルリン・フィルにはエマニエル・パユという若手の有望フルート奏者がいますが、ゴールウェイのように熟してほしいと思います。
 
ゴールウェイとの二度目の出会いは98年4月26日シンフォニーホール。この時は「フランス音楽幻想」というサブタイトルで、プーランクの「フルート・ソナタ」、ボルヌの「カルメン幻想曲」など。
4年前に較べると、やや太り気味でした。また、いちだんと渋さが増して、ひとことで言うと「カッコよかった」。
ハンサムな男は得ですねえ、年を取ってもハンサム。ショーン・コネリーなども若々しくて絵になるもの。
 
それにしても、ゴールウェイの日本公演はオリンピックじゃあるまいし、4年に一度というのが嘆かわしい。せめて2年に一回は来日してほしいですね。もっとも、来日しても東京公演だけなら論外。
 
 ゴールウェイのフルートのレパートリーは今後も拡大の一途を辿るでしょう。目の離せないソリストのひとりです。

前頁 目次 次頁